religionsloveの日記

室町物語です。

2021-08-01から1ヶ月間の記事一覧

稚児物語とその周辺—蹇驢嘶餘について④ー

内容4 一 児公家息ハ。白水干着ル也。武家ノ息ハ。長絹ヲ着スル也。クビカミノ有ヲ水干ト云。無ヲ長絹ト云フナリ。イヅレモ菊トヂハ黒シ。中堂供養ノトキ。御門跡ノ御供奉。貫全童形ニテ仕ル也。其トキハ。空色ノ水干其時節ニ似合タル結花ヲ。菊トヂニシテ…

稚児物語とその周辺—蹇驢嘶餘について③ー

その3 次いで梶井門跡について詳しく書かれています。門跡はその1,その2でも比叡山ヒエラルキーの最上位に位置付けられます。この門跡とは皇族・貴族の子弟が出家して、入室している特定の寺家・院家で、山門(比叡山)では、円融(梶井)院(三千院とも…

稚児物語とその周辺—蹇驢嘶餘について②ー

内容2 右貫全話之。 と書かれた続きを読みます。ここからは筆者自身の知識でしょうか。まず山王七社について言及します。上中下七社で合計二十一社あるのですが、その上七社についてです。 次にその七座の公人(雑役)として中方(中間僧)では無職の衆徒、…

稚児物語とその周辺—蹇驢嘶餘について①ー

蹇驢嘶餘とは 群書類従雑部45巻第490に「蹇驢嘶餘」が収められています。 この後で署名等に触れられた部分があったのですが、その何十行が、新しい記事を上書きして間違えて更新してしまって、焼失してしまいました。(涙) 記憶を頼りに再生してみます…

稚児観音縁起 全編ー稚児物語1ー

「稚児観音縁起」「稚児今参り」「花みつ」は、稚児が登場する物語ですが、稚児と僧侶の恋愛譚ではありません。ですから「リリジョンズラブ」というサブタイトルを付けるのは憚られますが、広義には「稚児物語」でしょう。しかし稚児のありようは窺い知れる…