巻三 第四章 比叡山では、このような不慮があるとは知るようもないので、約束の日も待ち遠しく思って、法師や童を遣わすと、得業は侍従の手紙を見るや否や、とめどなく涙を流すので、使者も不審に思って、内内、身内の者に訪ねると、若君は何日か前に、得業…
巻二 第六章 そのまま夜を明かすわけにもいかないので、侍従は若君の手を引き、自分の僧房へと誘った。若君は侍従の部屋に旅の具足があつらえられていて、すぐにでも修行の旅に出ようとしていた様子が見て取れたので、きっと侍従の方でも、つらい気持ちでそ…
引用をストックしました
引用するにはまずログインしてください
引用をストックできませんでした。再度お試しください
限定公開記事のため引用できません。