第十章 夜が明ける。聖護院の鹿鳴の宴も果てて、今は森閑としている。 桂海は梅若を見送ると、内には入らず、かといって去るでもなく門の石畳に立ちやすらいでいる。 桂寿が現れ、言葉なく文を差し出す。 開けてみると、言葉少なく、和歌が一首、 我が袖に宿…
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