巻一 第四章 侍従はとある八月、中秋の十日過ぎに縁ある人と会う用事があり、白河の辺りに二三日逗留していた。夜が更けて曇りない名月が天高く浮かんでいた。かつての晋の王子猶が月を愛でて遥か剡中の戴安道を訪ねたという故事も思い浮かばれて気もそぞろ…
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