religionsloveの日記

室町物語です。

2021-02-04から1日間の記事一覧

嵯峨物語④ーリリジョンズラブ5ー

本文 その2 松寿君が弥生三月に門を敲いた庵のある山里は、都からはさして遠いところではなかったのですが、世間からは隔絶した住みぶりで、行き交う人も稀でした。峰々に繁っている松の木の下陰で柴木を取りに来た山賤(やまがつ)が斧を振るう音がコーン…

嵯峨物語③ーリリジョンズラブ5ー

本文 その1 近来の人の書きなさった文章を見ると、 男色があることは、西域・中華・本朝どの人々も漏れなくいっています。その文章にあるように、この道はこの道は世々を経て絶えることはないので、人が知らない思い草のような思いの種も、葉の末に結ぶ露の…